山口健治の“江戸”鷹の目診断「久留米記念」 ツイート 2013/06/21 「選手寿命が延びた」といっても、誰もが当てはまるわけではない。年相応に下降線をたどる選手もいれば、盛り返す選手もいる。「久留米記念」(6月22日〈土〉~25日〈火〉)に出走予定のS級S班は、岡田征陽、佐藤友和、深谷知広の3人。S1は近畿が強力で、結束固い九州勢との戦いが注目を集めそうだ。 この久留米記念には地元が生んだスーパースター・中野浩一をたたえて中野カップの冠名がつけられているが、今回のS1の1人、紫原政文は中野の弟子でもある。選手生活25年の61期。神山雄一郎、山田裕仁と同期であり、09年にはS級S班に在籍した。 GIタイトルに手は届いていないものの、九州のまとめ役。セミファイナルに進出するようならメンバーしだいで、その次もある。 遠征では、十文字貴信の追い込みが鋭くなってきた。96年アトランタ五輪銅メダリストであることを意識するあまり、S2に降級した時期もあったが、自分の競走スタイルに自信を持てるようになったのだろう。最後までレースを諦めなくなった。目標さえあれば、ここでも台頭してきておかしくない。 さて、並びと展開。東北と中部はメンバー手薄だけに、佐藤友には岡田がつけ、深谷は単騎戦もある。九州地区は吉本卓仁─松岡貴久─合志正臣だが、坂本亮馬が乗ってくれば松岡の前になる。 中四国は阿竹智史─桑原大志、近畿は藤木裕─村上博幸─南修二。関東は牛山貴広─芦澤大輔の茨城両者が有力。他では海老根恵太もラインは望めそうになく、苦しい戦いか。 先行力は藤木が1枚抜けている。中団は佐藤友か牛山、吉本と深谷はまくり勝負になる。 本命は藤木。後ろを仕事師2人が固めるラインは強力で、前に踏みさえすれば押し切れると見た。対抗の深谷は、慌てずに仕掛ければ逆転も。3番手評価は松岡。自力もあるだけに吉本しだいだろう。 伏兵は、坂本健太郎(福岡・86期)、服部克久(熊本・90期)、郡司浩平(神奈川・99期)の3選手。 ホームバンクの坂本と地元地区の服部は、1着の多さが魅力。まくり一閃に期待する。 師匠が父・盛夫(A1)という2世選手の郡司。今期が初のS級も、FIではよく決勝戦に進出している。生きのいい機動力に賭けてみたい。◆プロフィール 山口健治(やまぐち・けんじ) 1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。 タグ: 久留米記念,山口健二,競輪,週刊アサヒ芸能 2013年 6/27号 エリア選択 北海道 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川 新潟 富山 石川 福井 山梨 長野 岐阜 静岡 愛知 三重 滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山 鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知 福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄 韓国 [富山県] [福島県] [奈良県] [北海道] [茨城県] [栃木県] [北海道] [北海道] [徳島県] [島根県]
「選手寿命が延びた」といっても、誰もが当てはまるわけではない。年相応に下降線をたどる選手もいれば、盛り返す選手もいる。「久留米記念」(6月22日〈土〉~25日〈火〉)に出走予定のS級S班は、岡田征陽、佐藤友和、深谷知広の3人。S1は近畿が強力で、結束固い九州勢との戦いが注目を集めそうだ。
この久留米記念には地元が生んだスーパースター・中野浩一をたたえて中野カップの冠名がつけられているが、今回のS1の1人、紫原政文は中野の弟子でもある。選手生活25年の61期。神山雄一郎、山田裕仁と同期であり、09年にはS級S班に在籍した。
GIタイトルに手は届いていないものの、九州のまとめ役。セミファイナルに進出するようならメンバーしだいで、その次もある。
遠征では、十文字貴信の追い込みが鋭くなってきた。96年アトランタ五輪銅メダリストであることを意識するあまり、S2に降級した時期もあったが、自分の競走スタイルに自信を持てるようになったのだろう。最後までレースを諦めなくなった。目標さえあれば、ここでも台頭してきておかしくない。
さて、並びと展開。東北と中部はメンバー手薄だけに、佐藤友には岡田がつけ、深谷は単騎戦もある。九州地区は吉本卓仁─松岡貴久─合志正臣だが、坂本亮馬が乗ってくれば松岡の前になる。
中四国は阿竹智史─桑原大志、近畿は藤木裕─村上博幸─南修二。関東は牛山貴広─芦澤大輔の茨城両者が有力。他では海老根恵太もラインは望めそうになく、苦しい戦いか。
先行力は藤木が1枚抜けている。中団は佐藤友か牛山、吉本と深谷はまくり勝負になる。
本命は藤木。後ろを仕事師2人が固めるラインは強力で、前に踏みさえすれば押し切れると見た。対抗の深谷は、慌てずに仕掛ければ逆転も。3番手評価は松岡。自力もあるだけに吉本しだいだろう。
伏兵は、坂本健太郎(福岡・86期)、服部克久(熊本・90期)、郡司浩平(神奈川・99期)の3選手。
ホームバンクの坂本と地元地区の服部は、1着の多さが魅力。まくり一閃に期待する。
師匠が父・盛夫(A1)という2世選手の郡司。今期が初のS級も、FIではよく決勝戦に進出している。生きのいい機動力に賭けてみたい。
◆プロフィール 山口健治(やまぐち・けんじ) 1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。