元料亭経営者が明かした「飛田の真実」(2)品定めを望んでいるぐらいの気持ちでいってや ツイート 2013/09/11 アユは大阪では超有名な商社のOLで、飛田に来る前は高級ソープに在籍していた。飛田のことは、ネットで知り、15分1万1000円の料金で手取り5000円、60分4万1000円なら2万円という、時間単価のよさにつられて10年2月に面接へ来た。 「でもその時の印象は、『普通だな』です。面接に来る子は、『無理だ』『頑張れば何とかなる』『稼げる』の3パターンに分類されますが、アユは『頑張れば何とかなる』だった。ルックス的には、HKT48の指原莉乃みたいな感じで、妙な愛嬌はあったけど、決して美人ではない。キャバクラで働いたら、完全に埋もれるタイプ。それが、のちに月間売り上げが飛田でベスト5に入るぐらい稼いでくれたのですから、この世界は何が起こるかわからない」 アユは、最初の頃は、OLをしながら土日だけ働いた。当時は毎日閑古鳥が鳴いている状態だったため、初日、オバちゃんからこう気合いを入れられたという。 「ここに来る男たちの目的はただ一つや。だから、遠慮なく品定めしてくる。それが当たり前なんやから、そうされることを望んでいるぐらいの気持ちでいってや」 玄関に座り、それなりにお客がついた。だが、みずからを“守銭奴”と呼ぶ彼女は、その額では満足できない。他店の様子を探ったり、整形も含めた試行錯誤を繰り返し、土日2日間だけで、30万円稼げるようになる。すると当然のように、会社を退社し飛田一本の生活が始まった。 「なぜそんなふうに化けたかわかりませんでした。昼夜通しで座ると、1日の売り上げが22万、28万、34万と必ず20万を超えていた。アユが座ると、前を通った人が全員上がるみたいな勢いで。本人に聞くと、『失恋して、恋愛に飢えだしたから』という。『誰かと恋したい、愛してもらいたい。座っていても、“誰か私と恋して”って感じで前を通る人見ていたから、それが伝わったのかもしれない』と笑っていた。通りから座っている姿を見たら、確かに、お客さんを引き込むような笑顔をしている。そこにプラスして、超美人ではなかったことが、お客さんにスキを感じさせていたんですね」 スキというのは、「彼女なら、自分ともつきあってくれるかもしれない」という部分。実は、飛田のお客は、美人を求めるものの、あまりにも美人すぎると、「自分なんかには不釣り合いでは」「ちゃんとサービスしてくれないのでは」と遠慮してしまうところがある。有名商社OLだったアユはいち早くそれに気づき、内気な男心につけいっては、次々と陥落させていった。 しかも、そういうお客は行為だけでなく、会話による癒やしも求めるから、最短の15分でなく、20分、30分とロングのお客になりやすいことも知っていた。 「アユの絶頂期は、2カ月、3カ月と続きました。ところが、飛田ではどんなに売れている子でも、3カ月を過ぎると、勢いが止まるんです。金銭的に満ち足りてきて、ハングリー精神がなくなるから。それでトップの地位を奪われると、精神的に不安定になる。絶好調の時は、テングになって誰彼かまわず威張り散らしていたのが、リストカットにはまってみたり。それまで華やかだった分だけ、孤独感が強まる。その精神的な葛藤が伝わってしまうので、お客さんもよけいに上がらなくなる。それでも店を辞めようとはしない。アユもそうで、本では“ナンバーワンのその後”もテーマとしています」 タグ: ニッポン「10大遊郭」裏探訪!,週刊アサヒ芸能 2013年 9/12号,遊女,遊郭,風俗,飛田の真実 エリア選択 北海道 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川 新潟 富山 石川 福井 山梨 長野 岐阜 静岡 愛知 三重 滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山 鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知 福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄 韓国 [青森県] [香川県] [岐阜県] [栃木県] [大分県] [東京都] [静岡県] [千葉県] [神奈川県] [山口県]
アユは大阪では超有名な商社のOLで、飛田に来る前は高級ソープに在籍していた。飛田のことは、ネットで知り、15分1万1000円の料金で手取り5000円、60分4万1000円なら2万円という、時間単価のよさにつられて10年2月に面接へ来た。
「でもその時の印象は、『普通だな』です。面接に来る子は、『無理だ』『頑張れば何とかなる』『稼げる』の3パターンに分類されますが、アユは『頑張れば何とかなる』だった。ルックス的には、HKT48の指原莉乃みたいな感じで、妙な愛嬌はあったけど、決して美人ではない。キャバクラで働いたら、完全に埋もれるタイプ。それが、のちに月間売り上げが飛田でベスト5に入るぐらい稼いでくれたのですから、この世界は何が起こるかわからない」
アユは、最初の頃は、OLをしながら土日だけ働いた。当時は毎日閑古鳥が鳴いている状態だったため、初日、オバちゃんからこう気合いを入れられたという。
「ここに来る男たちの目的はただ一つや。だから、遠慮なく品定めしてくる。それが当たり前なんやから、そうされることを望んでいるぐらいの気持ちでいってや」
玄関に座り、それなりにお客がついた。だが、みずからを“守銭奴”と呼ぶ彼女は、その額では満足できない。他店の様子を探ったり、整形も含めた試行錯誤を繰り返し、土日2日間だけで、30万円稼げるようになる。すると当然のように、会社を退社し飛田一本の生活が始まった。
「なぜそんなふうに化けたかわかりませんでした。昼夜通しで座ると、1日の売り上げが22万、28万、34万と必ず20万を超えていた。アユが座ると、前を通った人が全員上がるみたいな勢いで。本人に聞くと、『失恋して、恋愛に飢えだしたから』という。『誰かと恋したい、愛してもらいたい。座っていても、“誰か私と恋して”って感じで前を通る人見ていたから、それが伝わったのかもしれない』と笑っていた。通りから座っている姿を見たら、確かに、お客さんを引き込むような笑顔をしている。そこにプラスして、超美人ではなかったことが、お客さんにスキを感じさせていたんですね」
スキというのは、「彼女なら、自分ともつきあってくれるかもしれない」という部分。実は、飛田のお客は、美人を求めるものの、あまりにも美人すぎると、「自分なんかには不釣り合いでは」「ちゃんとサービスしてくれないのでは」と遠慮してしまうところがある。有名商社OLだったアユはいち早くそれに気づき、内気な男心につけいっては、次々と陥落させていった。
しかも、そういうお客は行為だけでなく、会話による癒やしも求めるから、最短の15分でなく、20分、30分とロングのお客になりやすいことも知っていた。
「アユの絶頂期は、2カ月、3カ月と続きました。ところが、飛田ではどんなに売れている子でも、3カ月を過ぎると、勢いが止まるんです。金銭的に満ち足りてきて、ハングリー精神がなくなるから。それでトップの地位を奪われると、精神的に不安定になる。絶好調の時は、テングになって誰彼かまわず威張り散らしていたのが、リストカットにはまってみたり。それまで華やかだった分だけ、孤独感が強まる。その精神的な葛藤が伝わってしまうので、お客さんもよけいに上がらなくなる。それでも店を辞めようとはしない。アユもそうで、本では“ナンバーワンのその後”もテーマとしています」